令和8年度の主な税制改正事項(学校法人向け)
令和8年度税制改正のうち、主に学校法人の税務にあたってご留意いただきたい改正点をまとめてみました。
【法人税関係】
大胆な設備投資促進税制の創設、研究開発税制の見直し、中小企業等の少額減価償却資産の取得価額損金算入特例の見直しなどの措置が講じられましたが、学校法人の一般税務に影響する改正として注目すべきものはありません。
【消費税関係】
1.税額控除経過措置(2割特例)適用者の簡易課税選択届出書提出期限の見直し
免税事業者がインボイス発行事業者となったことにより課税事業者となった場合の、納付税額を課税売上税額の20%とする、いわゆる2割特例は令和8年度をもって終了(その事業者が個人事業者である場合は令和9年分~令和10年分について3割特例として存続)しますが、これにあわせてこれらの特例を受けた翌事業年度に簡易課税を受けようとする場合の届出書の提出期限が、その簡易課税を受けようとする事業年度の申告期限まで延長されました。
(令和8年10月1日以後に終了する特例対象事業年度につき適用)
2.80%税額控除経過措置の段階的縮減および適用制限の見直し
免税事業者からの課税仕入れについて80%を税額控除可能とする経過措置について、令和8年10月からは70%、令和10年10月からは50%、令和12年10月からは30%とし、令和13年9月末をもって終了することとされました。また、一免税事業者からの課税仕入れの年度合計額が1億円(改正前:10億円)を超える場合には、その超えた部分については適用が認められないこととされました。
(税額控除可能割合経過措置の改正は令和8年10月1日から、一免税事業者からの課税仕入れ限度額の改正は令和8年10月1日以後開始年度から適用)
【所得税・源泉所得税関係】
1.基礎控除の見直し
①基礎控除額の最低保証額が4万円引き上げられ62万円とされました。なお、合計所得2,350万円超2,500万円以下の者については段階的に控除額が減額され、2,500万円超の者については0とされます。
②合計所得489万円以下の者について控除額が42万円加算される(基礎控除額計104万円)こととされました。なお、この控除加算額は合計所得489万円超655万円以下の者については5万円、655万円超の者については0とされました。
(令和8年分の所得税(令和8年12月1日以後)について適用、また②については令和8年分、令和9年分の所得税のみの措置で、令和10年分以後は合計所得132万円以下の者についてのみ控除加算額37万円となる)
③上記①の見直しに伴い、配偶者控除、扶養控除、ひとり親控除が認められる親族の所得金額要件および勤労学生控除が認められる所得金額要件がそれぞれ4万円引き上げられました。
(令和8年分の所得税(令和8年12月1日以後)および令和9年分の住民税から適用)
2.給与所得控除額の引上げ
①給与所得控除額の最低保証額が65万円から69万円に引上げられました。
②給与所得控除額の最低保証額を5万円追加する特例が創設されました。
上記①および②の結果、給与収入220万円以下の者について給与所得控除額の最低保証額74万円が控除されます。
(令和8年分の所得税から、給与源泉徴収については令和8年12月の年末調整から、住民税は令和9年分から適用。ただし②については令和8年分および令和9年分所得税(住民税については令和9年分および令和10年分)のみ適用)
3.ひとり親控除額の引上げ
ひとり親控除額が3万円引き上げられ、所得税では38万円、住民税では33万円とされました。
(令和9年分の所得税及び令和10年分の住民税から適用)
4.23歳未満の扶養親族を有する場合の生命保険料控除特例の延長
新生命保険料にかかる生命保険料控除について、23歳未満の扶養親族を有する場合に最大控除額を6万円とする特例適用が1年延長され、令和9年分までとされました。
5.自動車通勤者の非課税限度額の見直し等
①通勤距離(片道)ランクごとに定められている通勤手当月額の非課税限度額のうち、通勤距離片道10キロ以上の各ランクに応じて非課税限度額が引き上げられ、通勤距離片道95キロ以上の場合の66,400円が上限額とされました。
②一定要件を満たす駐車場を利用する自動車通勤者の非課税限度額にその駐車場料金月額(上限5,000円)を加算することとされました。
(①、②とも令和8年4月以後に支給される通勤手当について適用)
6.食事支給の非課税範囲の引上げ
使用者(学校法人等)からの食事の支給により受ける経済的利益について、所得税が非課税とされる使用者の負担額の上限が月額7,500円(改正前:月額3,500円)に引き上げられました。(金額は消費税抜きの額で判定)
(令和8年4月以後に支給する食事について適用)
7.深夜勤務夜食代の非課税限度額の引上げ
使用者(学校法人等)からの深夜勤務に伴う夜食代の支給について、所得税が非課税とされる1回の支給額が650円以下(改正前:300円以下)に引き上げられました。(金額は消費税抜きの額で判定)
(令和8年4月以後に支給する夜食代について適用)
