令和6年度の主な税制改正事項(学校法人向け)

令和6年度税制改正のうち、学校法人の税務にあたってご留意いただきたい改正点をまとめてみました。

【法人税関係】

1.交際費の損金不算入制度特例の見直し

交際費の損金不算入制度について、その50%相当額を損金に算入できる接待飲食費の金額基準を、1人当たり1万円以下(現行:5,000円以下)とすることとされました。
(令和6年4月1日以後に支出する飲食費から適用)

【消費税関係】

1.自動販売機、入場券等の課税仕入れ帳簿記載要件の緩和

インボイス不要で仕入税額控除が認められる、自動販売機・自動サービス機による課税仕入れおよび使用の際に回収される入場券等の課税仕入れ(いずれも3万円未満のものに限る)について、帳簿記載要件のうち、住所等の記載を不要とすることとされました。
(令和5年10月1日以後の課税仕入れについて適用)

2.80%税額控除経過措置の適用制限

免税事業者からの課税仕入れについて80%を税額控除できる経過措置について、一免税事業者からの課税仕入れの年度合計額が10億円を超える場合には、その超えた部分については適用が認められないこととされました。
(令和6年10月以後開始年度から適用)

【所得税・源泉所得税関係】

1.所得税の定額減税

所得税額から、本人について3万円、同一生計配偶者または扶養親族1人について3万円として合計した額の特別控除額を控除することとされました。(その人の令和6年分合計所得金額が1,805万円を超える場合は適用なし)
給与所得者(源泉徴収税額月額表甲欄適用者)に対する控除方法としては、令和6年6月に最初に支給される給与または賞与にかかる源泉徴収税額から特別控除額を控除することとされています。(控除しきれない場合は、それ以後の源泉徴収税額から順次控除)
なお、住民税については各々1人につき1万円の特別控除額が控除されます。
(令和6年分の所得税・住民税について適用)

2.公益法人等寄付金税額控除のPST要件の改正

学校法人等(学校法人または準学校法人)に寄付をした場合の所得税額特別控除の適用要件のうち、年平均判定基準寄付者数の判定要件(いわゆるパブリック・ サポート・テスト要件)について、学校法人等が次の要件を満たす場合(その直前事業年度が令和6年4月1日から令和11年4月1日までの間に開始した事業年度である場合に限る)には、実績判定期間を2年(現行:5年)とするとともに、判定基準寄付者数及びその判定基準寄付者にかかる寄付金の額の要件を、各事業年度(現行:年平均)の判定基準寄付者数が100人以上であることおよび当該寄付金の額の各事業年度(現行:年平均)の金額が30万円以上であること(小規模法人については緩和措置あり)とされました。
 イ その学校法人等の直前事業年度末以前2年内に終了した事業年度のうち最も古い事業年度初日から起算して5年前の日以後に、所轄庁から特例の適用対象証明書の交付を受けていないこと
 ロ 私立学校法に規定する事業中期計画またはこれに準ずる計画として、その学校法人等の経営改善に資するものを作成していること

3.法定調書のe-TAX提出義務の判定基準引き下げ

法定調書(源泉徴収票、支払調書)のe-TAXによる提出義務制度について、提出義務者の判定基準となる前々年の支払調書の枚数が30枚以上(現行:100枚以上)に引き下げられることとされました。
(令和9年1月以後に提出すべき支払調書から適用)

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